本記事は Play 02 の最小構成(42行)が手元で動いている前提です。CLAUDE.md と memory/style.md と /daily-schedule の最小版がある状態。
第1章Play 02 の42行は、4日でほつれた
Play 02 の30分構成を月曜から運用しました。月曜・火曜は、文体は揃っていたし、工程表も時刻が綺麗に並んでいて、満足度は高かった。
水曜の朝、最初の違和感が出ました。/daily-schedule が 「今日の予定」 として、月曜とほぼ同じ内容を返してきたのです。曜日が変わっているのに、内容が変わらない。
理由はすぐに分かりました。Play 02 では「仮データ」をコマンド定義の中に直接書き込んでいて、毎朝そのリストを読んでいた。月曜も水曜も、同じ仮データを見ていたから当然です。
木曜には別の不満も出ました。「今週は Play 03 を書く週」のはずなのに、工程表には 「Play 02 草稿」 が出ていた。先週決めたテーマを、コマンド側が知らない。
4日目で、Play 02 の構成では 「自分の今週」 が AI に渡っていない、と気付きました。仮データを差し替える前に、もうひと足し要る。
第2章4ファイルを増設した
足りないものを書き出しました。
・ 今週のテーマ(日曜夜に書き換える、5〜10行)
・ 取引先・案件の固有名(半年単位で触る、20〜30行)
・ 週次の振り返り(金曜に走らせる別コマンド)
結果、最終的なフォルダ構成はこうなりました。
合計 5 + 38 + 12 + 28 + 62 + 69 = 214行。これが「実コード行数」の中身です。Play 02 の42行から、172行を足した形になりました。
memory と knowledge の境界線は、Play 01 の失敗01から取りました ─ 「毎週書き換えるか」「週に1回も触らないか」。priorities.md は毎週書き換えるので memory/、projects.md は半年触らないので knowledge/。
第3章priorities.md と projects.md の中身
memory/priorities.md ─ 今週のテーマ
# 今週(2026-W22)のテーマ 月曜: Play 03 公開準備 火曜: 取引先A 月次面談(午前)・Play 03 校正(午後) 水曜: 商談 2件(B社・C社) 木曜: 検証編 下準備・週次レポート下書き 金曜: 週次振り返り・来週の priorities.md 更新 # 今週は引かない予定 - 火曜 9-12 (面談 + 移動) - 木曜 14-17 (検証編集中)
knowledge/projects.md ─ プロジェクト一覧
## AIプレイブック - 公開URL: aiplaybook.jp - 創刊号: 全 10本 - 公開ペース: 週 1 (水曜朝) - 直近の論点: Play 03 の三点開示 確定 ## 取引先 A - 月次面談: 第 3水曜 11:00 - 関係: 月次契約 - 直近の論点: 体制移行の合意形成 ## B社(商談中) - フェーズ: 提案書フィードバック待ち - 期限: 来週水曜 - 担当: B社・佐藤さん (後略 ─ 計 6プロジェクト)
commands/daily-schedule.md ─ 拡張版
コマンドの中身は Play 02 から大きくはなく、参照ファイルが増えたのと、「今週のテーマと今日の優先度の整合性チェック」 という1ステップを足しただけです。62行のうち40行は前と同じ。
# /daily-schedule ## 動き 1. memory/style.md を読む(文体) 2. memory/priorities.md を読む(今週のテーマ) ← NEW 3. knowledge/projects.md を読む(固有名の解決) ← NEW 4. 今日の予定リスト(仮データ or カレンダー)を取得 5. 今週のテーマと整合する予定を優先位置に置く ← NEW 6. 15分単位で工程表を組む 7. 各ブロックに「目的1行」を添える ## 整合性チェックの例 - priorities.md に「火曜 9-12 引かない」とあれば、 火曜 9-12 を空けない予定は警告として出す - projects.md に「B社 提案書フィードバック待ち」とあれば、 対応する時間を「B社 提案書」と推測表示する
commands/weekly-review.md ─ 金曜の振り返り
新規の69行。金曜の夕方に /weekly-review と打つと、週の予定とprioritiesを照らし合わせて、「やった/やらなかった/来週に持ち越し」 を一覧化します。
来週の priorities.md の 叩き台 も同時に出してくれます(採用するかは手で決める)。
第4章Pro ではなく API に乗せた理由 ─ ¥320/月の中身
Play 02 までは Claude Pro の対話モード(claude を起動して使う)で動かしていました。Play 03 で増えたコマンド呼び出しが日に5回・週で35回を超え始めたあたりで、レート制限 に当たる日が出てきました。
選択肢は2つ。Claude Max へのアップグレード(月の負担が一段上がる)、または Anthropic API 直叩きの一回コマンドに切り替える。後者を選びました。
具体的には、/daily-schedule と /weekly-review だけ、Claude Code の対話セッションを使わずに API への一回呼び出し として実行する形にしました。インタラクティブな試行錯誤は Pro の対話モードで、定型のコマンドは API で、という分担です。
API 使用量を1ヶ月測ったところ、¥320 でした。内訳:
・ /daily-schedule 平日5日 × 4週 = 20回 ・ 約 ¥200
・ /weekly-review 週1 × 4週 = 4回 ・ 約 ¥80
・ 試行錯誤・再実行 ・ 約 ¥40
これが「¥320/月」の中身です。Pro と合算すると月 ¥3,320 ぐらいですが、レート制限で朝の段取りが止まる方がコストが高いと判断しました。
補足: API 直叩きのほうが 「決まった処理を毎日同じ品質で」 動かしやすい、というのもあります。対話モードは便利ですが、入力が長くなるほど揺らぎが出る。コマンド系は API、思考系は対話、という使い分けは Play 03 以降ずっと続けています。
第5章3回踏んだ、失敗
/weekly-review が、月曜を「先週」に含めた。
金曜夕方に /weekly-review を初めて走らせたら、「今週 = 月曜〜金曜」のはずが、出力には 先々週の月曜 の予定が混ざっていました。AI に聞くと「2026-W22 を計算しました」と返ってきたので、ISO 週番号と日本のカレンダー感覚でズレていた。
priorities.md に 2026-W22 と書いていたのが原因で、AI 側は ISO 8601(月曜起点)で解釈、自分の頭は日曜起点で書いていた。priorities.md の見出しを 2026-05-25 週(月曜の日付)に変えて、解釈の余地を消しました。
カスタムコマンドに priorities.md を書き換えさせた。
/weekly-review の最後に 「来週の priorities.md を自動更新」 ステップを足したことがあります。便利そうに見えたから。実行翌週、月曜の /daily-schedule に「先週の積み残しタスク」が 今週のテーマとして 7件並んでいて、本来やる予定だった「Play 03 公開準備」が後ろに押し出されていました。
AI は「優先度を保持」しているつもりでも、人間の判断と齟齬が出ます。/weekly-review は 叩き台を出す ところまで、採用するかは手で決める、に戻しました。「AIに自分のメモを書き換えさせない」が、その後の判断ルールになりました。
工程表を「リッチに整形」しようとして崩れた。
/daily-schedule の出力に絵文字や罫線・色付きラベルを使わせようとした時期がありました。ターミナル幅が狭い日(外出先のラップトップ)で テーブルが崩壊 し、「何時に何があるか」が読めなくなった。
出力を プレーンテキスト + 半角スペース整形 に戻したら、どの環境でも同じに見えるようになりました。装飾より、どこで読んでも同じに見えるか を優先する、というルールがここで決まりました。
第6章動き出した、本当の朝
月曜の朝、ターミナルで /daily-schedule。3秒で、今週のテーマに沿った工程表が出るようになりました。取引先 A の月次面談、B社の提案書フィードバック、Play 03 の公開準備、すべて固有名で並びます。
金曜の夕方、/weekly-review。やった/やらなかったが整理され、来週の叩き台が出てきます。
仮データから始めた42行が、4ファイル・214行・月¥320 の 「自分の机に住みついた業務システム」 になりました。
ただし、ここまでで カレンダーは仮データのまま です。月曜の朝に手でpriorities.md を書き換える、という運用が残っています。これを本物のカレンダーに繋ぐのは、次の段(汎用業務編)の Play 04 で。