この記事は、Play 03 の、まず動かすために必要なものだけの42行があなたの手元で動いているところから始めます。CLAUDE.md と memory/style.md、それに /daily-schedule の最小版。この3点がまだなら、先に Play 03 を済ませてから戻ってきてください。
第1章Play 03 の42行は、4日でほつれた
Play 03 で組んだ30分の構成を、月曜から実際に使い始めました。月曜と火曜は、いい感じでした。文体は揃ってるし、工程表も時刻がきれいに並んでる。これで毎朝が回るな、と思ってたんです。
ところが水曜の朝、最初の「あれ?」が来ます。/daily-schedule が返してきた 「今日の予定」 が、月曜とほとんど同じ。曜日は変わってるのに、中身が変わらないんです。
原因はすぐ見えました。Play 03 では「仮データ」をコマンドの中に直接べた書きしていて、AIは毎朝その同じリストを読んでいたんです。月曜も水曜も同じ紙を見せられてたら、そりゃ同じ答えが返ってきますよね。
木曜には別の不満も出てきます。「今週は Play 04 を書く週」のはずなのに、工程表に堂々と 「Play 03 草稿」 と出ている。先週自分が決めたテーマを、コマンドがまったく知らないんです。
ここで腹落ちしました。Play 03 の構成だと、「自分の今週」がAIに一切渡っていない。カレンダーの仮データを本物に差し替える前に、もうひと部品、足りないものがある。次の章で、その足りないものを書き出します。
第2章4ファイルを増設した
4日目の朝、紙に足りないものを書き出しました。3つでした。
・ 今週のテーマ(日曜夜に書き換える、5〜10行)
・ 取引先・案件の固有名(半年単位で触る、20〜30行)
・ 週次の振り返り(金曜に走らせる別コマンド)
この3つを足すと、フォルダ構成はこうなります。NEWと付いているのが、今回あなたが新しく作るファイルです。
合計すると 5 + 38 + 12 + 28 + 62 + 69 = 214行。これが冒頭に出した「実コード行数」の正体です。Play 03 の42行に、172行を足しただけ。コードじゃなくて、自分の仕事を文章で書いただけなんです。
ここで1つ迷うのが、新しいファイルを memory/ と knowledge/ のどっちに置くか。判断の線引きは Play 02 の失敗01でもう引いてあります ─ 「毎週書き換えるか」「週に1回も触らないか」。priorities.md は毎週いじるので memory/、projects.md は半年放置なので knowledge/。迷ったら「これ来週も書き換える?」と自分に聞いてください。次の章で、この2ファイルの中身を実際に開きます。
第3章priorities.md と projects.md の中身
memory/priorities.md ─ 今週のテーマ
# 今週(2026-W22)のテーマ 月曜: Play 04 公開準備 火曜: 取引先A 月次面談(午前)・Play 04 校正(午後) 水曜: 商談 2件(B社・C社) 木曜: 検証編 下準備・週次レポート下書き 金曜: 週次振り返り・来週の priorities.md 更新 # 今週は引かない予定 - 火曜 9-12 (面談 + 移動) - 木曜 14-17 (検証編集中)
knowledge/projects.md ─ プロジェクト一覧
## AIプレイブック - 公開URL: aiplaybook.jp - 創刊号: 全 10本 - 公開ペース: 週 1 (水曜朝) - 直近の論点: Play 04 の三点開示 確定 ## 取引先 A - 月次面談: 第 3水曜 11:00 - 関係: 月次契約 - 直近の論点: 体制移行の合意形成 ## B社(商談中) - フェーズ: 提案書フィードバック待ち - 期限: 来週水曜 - 担当: B社・佐藤さん (後略 ─ 計 6プロジェクト)
commands/daily-schedule.md ─ 拡張版
身構えなくて大丈夫です。コマンドの中身は Play 03 からほとんど変わりません。やったのは2つ。さっきの2ファイルを読む行を増やしたのと、「今週のテーマと今日の予定がちゃんと噛み合ってるか確認する」という1ステップを足した。それだけ。62行のうち40行は前のまんまです。
# /daily-schedule ## 動き 1. memory/style.md を読む(文体) 2. memory/priorities.md を読む(今週のテーマ) ← NEW 3. knowledge/projects.md を読む(固有名の解決) ← NEW 4. 今日の予定リスト(仮データ or カレンダー)を取得 5. 今週のテーマと整合する予定を優先位置に置く ← NEW 6. 15分単位で工程表を組む 7. 各ブロックに「目的1行」を添える ## 整合性チェックの例 - priorities.md に「火曜 9-12 引かない」とあれば、 火曜 9-12 を空けない予定は警告として出す - projects.md に「B社 提案書フィードバック待ち」とあれば、 対応する時間を「B社 提案書」と推測表示する
commands/weekly-review.md ─ 金曜の振り返り
これは丸ごと新規の69行。金曜の夕方に /weekly-review と打つと、その週の予定と priorities.md を突き合わせて、「やった/やらなかった/来週に持ち越し」を一覧で出してくれます。週末に頭の中でやってた棚卸しを、AIが代わりにやる感じです。
ついでに、来週の priorities.md の 叩き台まで書いてくれます。ただし採用するかは自分で決める ─ ここを手放すと痛い目を見ます(このあとの失敗02でやらかします)。まずは金曜にこの1コマンドを打ってみてください。
第4章Pro ではなく API に乗せた理由 ─ ¥320/月の中身
Play 03 までは Claude Pro の対話モード(claude を起動して使うやつ)でぜんぶ動かしていました。ところが Play 04 でコマンドが増えて、呼び出しが日に5回・週で35回を超えたあたりから、レート制限に引っかかる日が出てきます。朝、段取りを組もうとして止まる。これが地味にストレスでした。
打ち手は2つありました。Claude Max にアップグレードして枠を広げる(月の負担が一段上がる)か、定型コマンドだけ Anthropic API の直叩きに逃がすか。私は後者にしました。
やったことは単純で、/daily-schedule と /weekly-review の2つだけ、対話セッションを使わずに APIへの一回呼び出しとして走らせる形にしただけです。あれこれ試したい思考作業は Pro の対話モードで、毎日決まった処理は API で。役割を分けてやる、という運用です。
で、実際いくらかかったのか。API の使用量を1ヶ月まるごと測ってみたら、¥320でした。内訳はこうです。
・ /daily-schedule 平日5日 × 4週 = 20回 ・ 約 ¥200
・ /weekly-review 週1 × 4週 = 4回 ・ 約 ¥80
・ 試行錯誤・再実行 ・ 約 ¥40
これが「¥320/月」の正体です。Pro と合わせると月 ¥3,320 ぐらい。コーヒー数杯ぶんですね。朝の段取りがレート制限で止まる方がよっぽど高くつく、と腹をくくりました。
補足。API 直叩きには「決まった処理を毎日同じ品質で出してくれる」という地味な強みもあります。対話モードは便利な反面、入力が長くなるほど答えが揺らぐ。だから決まりきったコマンドは API、考えながら進める作業は対話、と分けています。この使い分けは Play 04 以降ずっと続けている自分のルールです。次は、この構成を組む途中で踏んだ失敗3つを、踏んだ順に置いておきます。あなたが同じ穴に落ちないように。
第5章3回踏んだ、失敗
/weekly-review が、月曜を「先週」に含めた。
金曜の夕方、初めて /weekly-review を走らせたら、「今週 = 月曜〜金曜」のはずの出力に、なぜか 先々週の月曜の予定が混ざってました。AIに「なんで?」と聞くと、「2026-W22 を計算しました」とすまし顔で返してくる。週番号の数え方が、AIと自分でズレてたんです。
犯人は priorities.md の見出しに書いた 2026-W22。AIはこれを ISO 8601(週は月曜から始まる)で読んでいて、自分は日曜始まりのつもりで書いていた。1週ぶんずれて当然ですよね。見出しを 2026-05-25 週(月曜の日付)に書き換えて、解釈のブレる余地をなくしました。あなたも週の見出しは「W◯◯」でなく日付で書いてください。これだけで防げます。
カスタムコマンドに priorities.md を書き換えさせた。
正直、ナメてました。/weekly-review の最後に「来週の priorities.md を自動で更新する」ステップを足したんです。だって便利そうじゃないですか。ところが翌週の月曜、/daily-schedule を打ったら、「先週の積み残しタスク」が 今週のテーマとして7件もずらっと並んでいて、本来やるはずの「Play 04 公開準備」が下の方に押し出されてました。
AIは自分なりに「優先度を引き継いだ」つもりなんです。でも人間が本当にやりたいこととは、平気でズレる。だから /weekly-review は叩き台を出すところまで、採用は自分の手で、に戻しました。「自分のメモはAIに書き換えさせない」。これが、その後ずっと守ってる判断ルールになりました。あなたも、自動更新の誘惑には一回踏みとどまってください。
工程表を「リッチに整形」しようとして崩れた。
見た目を盛りたくなる時期、ありますよね。/daily-schedule の出力に罫線や色付きラベルを使わせていた時期がありました。これが、外出先でラップトップを開いた日にやられます。ターミナルの幅が狭くて 表がぐしゃっと崩壊。何時に何があるか、まったく読めなくなりました。
結局、出力を プレーンな文字 + 半角スペースで揃えるだけに戻したら、どの画面で開いても同じに見えるようになりました。見た目を盛るより、どこで読んでも崩れないこと。そっちを優先する、というルールがここで決まりました。あなたも工程表は飾らず、まずプレーンで出してください。次は、この214行が実際に動き出した朝の話です。
第6章動き出した、本当の朝
組み終わった次の月曜、ターミナルで /daily-schedule と打ちました。3秒。今週のテーマに沿った工程表が、ちゃんと出てきます。取引先 A の月次面談も、B社の提案書フィードバックも、Play 04 の公開準備も、ぜんぶ固有名で並んでる。水曜に「あれ?」となった、あの同じ工程表はもうどこにもありませんでした。
金曜の夕方は /weekly-review。やったこと、やれなかったことが勝手に整理されて、来週の叩き台まで出てくる。週末に頭を抱えてた棚卸しが、コマンド1つで終わるんです。
仮データから始めた42行が、4ファイル・214行・月¥320 の 「自分の机に住みついた業務システム」になりました。1週間ほつれを直しただけで、ここまで来ます。
ただ、正直に書いておくと、ここまでで カレンダーはまだ仮データです。月曜の朝に priorities.md を手で書き換える、という地味な作業が残ってます。これが最後のひと手間。次の Play 05(実際の予定で動かす編)で、ここを本物の Google カレンダーに繋ぎます。そこまでやって、ようやく朝が完全に手放せます。