AIに仕事を任せるには、何を用意すればいいのか。
ChatGPT・Claude・Claude Codeの違いと、AIに仕事を任せる4つの部品を12分でつかみます。
ChatGPTとClaude、何が違う?
あなたも、ChatGPT は1度くらい触ったことがありますよね。OpenAI が出している、ブラウザで会話するあのAIです。仕事で使った、という方もきっと多いはずです。
じゃあ、Claude(クロード)はどうでしょう。「名前は聞いたことある。でも何が違うかは知らない」——だいたいこのあたりで止まっている方が多い印象です。本誌はこの Claude を主役に進めます。なので最初に、2つの違いをサッと並べておきます。
| 項目 | ChatGPT | Claude |
|---|---|---|
| 提供会社 | OpenAI(米国) | Anthropic(米国) |
| 起源 | GPT-3.5から会話AIとして広まった | OpenAI元メンバーが「より安全なAI」を掲げて2021年設立 |
| 得意なこと | 幅広い汎用タスク・画像生成連携 | 長文の読解・コーディング・推論の透明性 |
| 日本での認知 | ほぼ全員が知っている | エンジニア層中心に拡大中 |
| 本誌の主役 | ── | こちらを使います |
「で、なんで Claude なの?」と聞かれたら、答えはシンプルです。派手さはありません。でも、仕事に組み込んで毎日おなじ動きをくり返させるなら、いまのところ Claude が一番やりやすかった。それだけです。あとで出てくる Claude Code というツールが、業務を自動化するための「設計図と工具」を、ひととおり手元に揃えてくれます。まずはこの整理を頭に入れて、次でその Claude Code の正体を見にいきましょう。
Claude Code は「ターミナルで動くClaude」
Claude Code(クロード・コード)は、Anthropic が出している コマンドライン版のClaude です。ブラウザの会話画面じゃなくて、Macのターミナル——あの黒い画面から起動して使います。
「黒い画面」と聞いて、いまちょっと身構えましたよね。大丈夫です。コードは書きません。本誌の読者はそもそもコードを書かないビジネス職です。Claude Code がやってくれるのは、コードを書くことじゃない。「あなたの仕事を覚えてくれるAI」を、手元に1つ置く——これだけなんです。
じゃあ、ブラウザ版の Claude(claude.ai)と何が違うのか。ざっくり3つです。
- あなたの仕事を覚える:文体、よく扱うプロジェクト、優先順位。これを1つのファイルに書いておけば、Claude Code は毎回それを読んでから動き出します。ブラウザ版は、毎朝まっさらからのスタートです。
- ファイルを直接さわる:あなたのMacにある議事録や提案書を、そのまま読んで作業します。ブラウザ版だと、毎回コピペで手渡ししないといけません。
- 自分専用のコマンドを作れる:「
/daily-schedule」と打つだけで毎朝の工程表が出てくる。そういう自分用のコマンドを作れます。ブラウザ版にはない機能です。
地味に見えますか。でも、この3つが効くんです。仕事を覚えてくれて、ファイルをそのまま動かせて、起動が1コマンドで済む。ここが揃って、ようやく「仕事に組み込まれた」と呼べる状態になります。逆に、どれか1つでも欠けると、また毎朝の手作業に逆戻りです。次の章で、その3つを支える設計の話に入ります。
AIに仕事を任せるとは ── プロンプトではなく仕組み
さて、本誌がしつこく言っている「AIに仕事を任せる」って、結局なんなのか。先に、一文で定義を置いておきます。
AIに仕事を任せるとは、プロンプトの一発回答ではなく、メモリ・知識ベース・サブエージェント・カスタムコマンドの4つの部品を組み合わせて、毎日の仕事そのものをAIに置き換えていくことである。
細かい中身は、Play 02 以降で実際のファイルの手元まで降ろしていきます。いまは「毎朝のおなじ作業を消すには、この4つが要るんだな」——それだけ持って帰ってください。1つずつ、ざっと顔合わせしておきましょう。
① メモリ(Memory)
あなたの仕事のことを、ファイルに書いて覚えさせておく場所です。Claude Code は作業を始める前に、ここを必ず読みます。「自分は社内向けの文書が多くて、語尾は『です・ます』で揃えたい」——こういうのを1回書いておけば、もう二度と説明しなくていい。毎朝の自己紹介から解放されます。
② 知識ベース(Knowledge Base)
過去の議事録・メール・提案書を、住所をつけてしまっておく棚です。AI が、必要なときに必要な分だけスッと取り出せる。あの「あの案件の議事録どこだっけ」と15分さがす時間が、まるごと消えます。
③ サブエージェント(Subagents)
1人のAIに「ぜんぶよろしく」と丸投げしない、という発想です。調べる係、文章を直す係、設計する係——こんなふうに役割で分けて、それぞれを専門家にします。あなたが部下に仕事を振り分けるのと、まったく同じです。
④ カスタムコマンド(Custom Commands)
動き出しのスイッチを、1行のコマンドに圧縮します。「/daily-schedule」と打つだけ。すると今日のカレンダーを読んで、優先度を拾って、15分単位の工程表を返してくれる。毎朝おなじ結果が出るかどうかは、このスイッチで決まります。
大事なのは、この4つはバラバラだと動かない、ということです。メモリだけ書いても、取り出す棚がなければ意味がない。係を作っても、呼び出すスイッチがなければ出番がこない。4つが噛み合って、はじめて仕事が回り出します。この噛み合わせを、次の Play で実際に組んでいきます。
このサイトで学ぶこと(現在のカリキュラム)
本誌は、Claude Code をまだ1度も触ったことがない——そんなあなたを出発点にしています。そこから、毎朝のスケジュール作成、Google Calendar との連携、Gmail のメール仕分けまで、段差なしで地続きに進めます。いま公開しているのは 準備ガイド 2本+プレイブック 6本。全体の地図を、先に見ておきましょう。
公開中 ・ 準備ガイド 2本+プレイブック 6本
追加は毎週1本ペースです。この先は、CLAUDE.md と memory/ で AI に自分を覚えさせる回、knowledge/ に過去資料を住所付きで置く回、サブエージェントとカスタムコマンドで役割を切り分ける回、そして契約書レビューや議事録からのタスク抜き出しまで。「土台を作る編」から「専門の仕事に効かせる編」へと、だんだん深いところへ降りていきます。
用意するものは2つだけ。月20ドルの Claude Pro 契約と、1本あたり12〜18分の読む時間。それだけです。RSSフィードを登録しておけば、新しい Play が出たときに取りこぼしません(メールアドレスはいりません)。
では、次の Play へ。「磨いたプロンプトが、なぜ4日目で壊れたのか」を、わたしの失敗ごと実況していきます。